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Tsuyoshi Maekawa
前川強

1936年 大阪に生まれる。
1955年 大阪市立工芸高等学校図案科卒業。
1959年 吉原治良に師事。
第8回具体展(京都市美術館、以後68年第21回、最後の具体展まで出品)。
1962年 具体美術協会会員となる(72年解散まで在籍)。
ドンゴロス(麻布)を使用した物質性と色彩に焦点を当てた絵画の制作。
 関西総合美術展大賞(大阪市立美術館)
1963年 前川強展(グタイピナコテカ・大阪)
1966年 具体3人展―向井修二、松谷武判、前川強―(グタイピナコテカ・大阪)
1978年 具体解散後からは、より柔らかい布を細かくミシンで縫う繊細な作品を発表。
1981年 第15回現代日本美術展・東京都美術館賞受賞(東京・京都)
1982年 第4回ジャパンエンバ賞美術展・国立国際美術館賞受賞(エンバ中国近代美術館・芦屋)
第14回日本国際美術展・京都国立近代美術館賞受賞(東京、京都)
第5回現代日本絵画展・大賞受賞(宇部・山口)
1996年 新生ルーテル教会(松阪・三重)のための壁画制作。
2002年 兵庫県立美術館開館記念展(兵庫県立美術館)
2012年 「『具体』―ニッポンの前衛18年の軌跡」(国立新美術館・東京)
2014年 ベルギー、アントワープの古城でアクセルギャラリーによる大規模な個展が開催。
テート・モダン(ロンドン)に《Two Junctions》(1960)の収蔵が決定。
2015年 2017年に開館予定の香港のM+に収蔵(予定)。

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1936年、大阪に生まれた前川強は、松谷武判、向井修二と共に『3M』と呼ばれ具体第二世代の中心として活躍した。
ドンゴロス(麻布)で凸凹のレリーフ状の絵画を制作する作風は、抽象表現主義の傾向の強い具体の中において、“もの”の物質性に着目したものであると言える。自由度と強固さを併せ持つ麻布という素材の特性を活かすことで、大胆で力強い表現から流動的で滑らかな表現まで様々な表情を生み出させる。
油彩等で色付けされたキャンバスを床に平置きし、ボンドに漬けたドンゴロス(麻布)を絵の上にのせる。そして、ボンドが固まらないうちに、麻布で造形を形作り切り裂き、開くことで、麻布の下に描かれた絵を覗かせている。褐色の麻色の隙間から見える下地の表現は、開かれた窓の向こう側のような鮮やかさと遠近感を持つ。前川は、この立体感と空間を生むキャンバスとドンゴロスという二段構成のタブローによって、物質的絵画としての新境地を開拓した。
具体解散後、ドンゴロスを用いた絵画シリーズをさらに洗練させた前川は、より柔らかい布を細かくミシンで縫う繊細な作品を発表、80年代に数多くの賞を受賞した。

2014年、イギリスの国立近現代美術館テート・モダン(ロンドン)に《Two Junctions》(1960年)が収蔵され、具体美術の国際的再評価の象徴となった。