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Yuko Nasaka
名坂有子

1938年 大阪府に生まれる。
1959年 大阪樟蔭女子大学別科生活専修を卒業。
1962年 第15回芦屋市展において、巨大な段ボールにドリルで無数の穴を開けた作品を発表し、市長賞・15回年記念賞を受賞。
     この頃より吉原治良に師事。
1963年 具体美術協会会員(72年解散まで在籍)。
1964年 名坂有子展(グタイピナコテカ・大阪)
同心円のモチーフを繋ぎ合わせ、壁全体を覆い尽くす大作を発表。
1965年 グタイピナコテカでの個展を見た批評家ジュール・ランスナーが美術雑誌 『Art International』の中で名坂を紹介。
1970年 万国博美術館 野外彫刻合作。
    万国博 日本政府4号館 リトルワールドドームのパターン提供。
1986年 名坂千吉郎・有子展(ABCギャラリー・大阪)
1989年 ウイメンズ’89(大阪府立現代美術センター)
1990年 大阪トリエンナーレ’90第1回国際現代造形コンクール出品
1991年 ウイメンズ’91(大阪府立現代美術センター)
2005年 「前衛の女性1950−1975」(栃木県立美術館)
2008年 「女性画家の大阪 美人画と前衛の20世紀」(大阪市立近代美術館)
2012年 「『具体』—ニッポンの前衛18年の軌跡」(国立新美術館・東京)
2013年 「具体:素晴らしい遊び場」(グッゲンハイム美術館・ニューヨーク)

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1938年大阪府に生まれた名坂有子は60年代初頭に具体に加わった第二世代の作家である。具体の全盛期である60年代から現在まで、一貫して同心円のレリーフ状の作品を制作し続けてきた。回転板と樹脂を用いて描画した同心円のモチーフを繋ぎ合わせ、壁全体を覆い尽くすかのような巨大な作品として仕上げる。同一モチーフの反復と集積を強調することで、無限の空間表現を可能とし、鑑賞者はどこまでも広がる絵画空間を感じることができる。ドリルやコンプレッサー、樹脂やラッカーといった工業用素材を用い、大胆な作品制作を行う名坂のバイタリティに吉原治良は「桁はずれ」と述べ、驚きと共に称賛を与えた。
また、具体の精神を受け継ぎながらも、ひとりの芸術家として独自の美術理念を生み出し、それを表現しようとした名坂は、同時代を生きた草間彌生やオノ・ヨーコ、同じ具体の山崎つる子や田中敦子と共に、戦後の日本美術界における重要な女性芸術家として位置づけることができる。