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Senkichiro Nasaka
名坂 千吉郎

1923年 大阪府に生まれる。
1942年 京都市立絵画専門画学校(現・京都市立芸術大学)に入学。白髪一雄と同期。
1950年 関西総合美術展に入選。
1952年 京都市立美術専門学校日本画研究科修了。
1963年 洋画に転向する。
1964年 吉原治良に師事。
1965年 第15回具体美術展に出品。具体美術協会会員(72年解散まで在籍)。
1969年 現代美術の動向展(京都国立近代美術館)   
             1970年 万博みどり館グタイグループ展示で会場構成として活躍。
万博美術展屋外展示「ガーデン・オン・ガーデン」
1979年 「吉原治良と具体のその後」(兵庫県立近代美術館)
1986年 「名坂千吉郎・有子展」(ABCギャラリー・大阪)
1992年 「具体美術協会の作家たち」(宮城県美術館)
1993年 「具体展Ⅲ1965~1972」(芦屋市立美術博物館)
2012年 「『具体』—ニッポンの前衛18年の軌跡」(国立新美術館・東京)
2013年 「具体:素晴らしい遊び場」(グッゲンハイム美術館・ニューヨーク)
2014年 死去(享年91歳)

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名坂千吉郎は1923年、大阪に生まれた。具体初期、アンフォルメルから影響を受けたような絵画作品を発表していたが、いち早くハードエッジやライト・アート、キネティックアートと具体後期を特徴づけるテクノロジーを駆使した作風へ移行している。特に鉄をつなぎ合わせ、鋭い角度がついた作品は、他の具体作家の熱い抽象画とは異なる具体美術のあり方をみせた。
1970年の大阪万博での「万博具体まつり」では、みどり館エントランス・ホールの会場構成を手がけた。直径10cmの金属パイプをつなぎ合わせた展示壁面を構成し、全長150mのパイプを伝って、吉原通雄による音響が流された。2013年にニューヨークのグッゲンハイム美術館で開かれた具体回顧展「具体:素晴らしい遊び場」では、螺旋状に円を描くように登っていく展示室にこのインスタレーションを配置した。
名坂千吉郎は、その他多様な色彩が混ざり合い、発色を意識した絵画作品も発表している。《作品》(1978年)は具体解散後のものであるが、名坂が具体初期に取り組んだアンフォルメルの様相を強く見てとることができる。絵の具の発色性と流動性にこだわった名坂は、砂やセメントなど様々なものを混ぜ込み実験的な絵画法を編み出してきた。生み出された独特な色彩感覚と、色と色の境目から現れるマチエールに注目していただきたい。