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Takesada Matsutani
松谷武判

1937年 大阪市阿倍野区に生まれる。
1954年 大阪市立工芸高校日本学科に入学。2年後病気のため中退。
1959年 第6回新美術協会展で協会賞受賞、準会員に推挙。
1960年 第9回具体美術展(大阪高島屋)に初出品(以後68年第21回、最後の具体展まで連続出品)。
1963年 具体美術協会会員に推挙され会員となる。
松谷武判展(グタイピナコテカ・大阪)にボンドによるレリーフを出品。
1966年 フランス政府留学生選抜第1回毎日美術コンクール(京都市美術館)でグランプリ受賞。
以後現在までパリを拠点に活動を続ける。
1967年 S・W・ヘイターの版画工房アトリエ17に入門、69年から助手。
1969年 第53回カナダ版画協会展 国際ニコル賞
1970年 モンパルナスにシルクスクリーン版画工房を作り、その後バスティーユに移す。
2000年 インスタレーションによる舞台装置を制作する。(国立エヴルー劇場・フランス)
「波動・松谷武判展」(西宮市大谷記念美術館・兵庫)
2002年 「松谷武判展」(ケアンズ州立美術館・オーストラリア)
現代美術の普及・振興に貢献したとして西宮市民文化賞を受賞。
2007年 「松谷武判 回顧展」(アンドレ・マルロー文化センター・アジャン・フランス)
2008年 「松谷武判/ジュルフォア・ド・モンペリエ展」(モンテマリー市立現代アートセンター・フランス)
2010年 「松谷武判展―流動―」(神奈川県立近代美術館鎌倉)
2012年 特別招待作家として瀧野アートプロジェクト2012「刻の記憶」に出展。
2014年 西宮船坂ビエンナーレ2014に参加。古民家を丸ごと使用した展示空間を作り上げる。
2015年 「松谷武判の流れ」(西宮市大谷記念美術館・兵庫)

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1960年、元永定正の紹介により第9回具体美術展に出品した松谷武判は、63年に具体美術協会会員となる。具体中期とされる時期において、松谷は向井修二、前川強とともに3Mと呼ばれ、具体第二世代の中心的メンバーとして活躍してきた。
松谷武判は戦後間もなく開発されたビニール系接着剤(木工用ボンド)を素材に選び独自のスタイルを築いた。艶やかで粘りのあるボンド特有の質感や、物質そのものが形作る膨らんだり垂れたりした有機的かつ官能的なフォルムは、これまでに誰もが行うことのなかった新たな絵画の可能性を示唆するものとして注目を集めた。
1967年以降はパリに渡りS・W・ヘイターの版画工房において本格的に版画の研究を行う。自らが制作したボンドの作品を写真製版した版画により高い評価を得、国際的な版画展で受賞するなどの活躍をみせた。
その後、70年代以降はボンドで形成した膨らみを鉛筆や墨で塗りつぶすことで生まれる“艶やかな黒”を取り入れる。パリと日本を舞台に活動を続けた松谷は自身の表現領域を“東洋と西洋のはざま”と例え、モノクロームの世界観を構築し続けている。