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Hiroshi Senju
千住博

1958年  東京都生まれ。
1982年  東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。
1984年  東京藝術大学大学院修士課程修了、修了制作藝大買上。
1987年  東京藝術大学大学院博士課程修了、修了制作東大買上。
1989年  「ジ・エンド・オブ・ザ・ドリーム」(マンリー市立美術館、オーストラリア)
1993年  ニューヨークの美術誌「ギャラリーガイド」の表紙に選出。
     「Flatwater」(マックスウェルデビッドソンギャラリー、アメリカ)
1994年   「千住博1980−1994展」(山中湖高村美術館)
     「星のふる夜に」に対し第4回けんぶち絵本大賞受賞
1995年  「千住博展」(台北市美術館、台北、台湾)
     第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ (イタリア) にて名誉賞受賞、東洋人として史上初。
1996年  「千住博 Waterfalls & Glasses」展(彫刻の森美術館)
1998年  広島市現代美術館収蔵「八月の空と雲」に対し紺綬褒章受章。
2000年  「両洋の眼展/21世紀の絵画」出品作品「ライフ」に対し河北倫明賞受賞。
2003年  「大徳寺聚光院の襖絵」展(東京国立博物館)
2004年  東京国際空港第2旅客ターミナルのアートディレクションを担当。
2005年  「大徳寺聚光院別院襖絵七十七枚の全て」展(福岡アジア美術館)
2006年  第6回光州ビエンナーレ(光州、韓国)、「千住博」展(山種美術館)
   直島スタンダード2」展(ベネッセアートサイト直島)
    2007年 「山種美術館所蔵名品展」(富山県立近代美術館)
      「松風荘」襖絵完成(フィラデルフィア美術館)
「百柱をたてる−空即是色・千住博」(松本市立美術館)
2007年  京都造形芸術大学学長(-2013年3月)
2008年 「液晶絵画」展(三重県立美術館、国立国際美術館、東京都写真美術館を巡回)
2009年 家プロジェクト「石橋」母屋「空の庭」完成(ベネッセアートサイト直島)
2010年  「千住博 青の世界 —東山魁夷からの響き—」展(香川県立東山魁夷せとうち美術館)
2011年 軽井沢千住博美術館開館
「水・火・大地 創造の源をもとめて」展(熊本市現代美術館)、「第5回成都ビエンナーレ」(中国)
「Vision of Nature, Lost and Found, in Asian Contemporary Art」(香港アートセンター)
2012年   「日本舞踊×オーケストラ-伝統の競演-」の舞台美術を担当(東京文化会館)
2013年  オペラ「KAMIKAZE」の舞台美術を担当(東京文化会館)、回向院障壁画完成(東京)
 個展「千住博が描く源氏物語展‐平安王朝の空を見つめて‐」(佐川美術館)

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1995年のヴェネチアビエンナーレで東洋人として初めて名誉賞を受賞した千住博は「滝」の作家として国内外で名を馳せている。20代に故宮博物館で范寛、郭煕などの宋元画の魅力の虜になった千住は、西洋モダニズムの超克のために、水墨画の奥義を採用した。自然を対象化するのではなく自然の側に身を置き、一体化して描くという手法である。千住は松尾芭蕉の随想「笈の小文」の名文「風雅におけるもの、造化にしたがいて四時を友とす」を引用し、作為を極力排除する。白い絵の具が地球の引力に引かれて上から下へと自然に流れた姿に「美」を見出すという発想の転換。茶道における「みたて」をほうふつさせるが、ジャクソンポロックのドリッピングとは根本的に違う日本独自のあるいは東アジア独自の美意識である。この手法は、和紙を揉んで偶然できた皺に墨とプラチナを流し込んで断崖を現出させる後のクリフシリーズにつながっていく。現代アートの世界で国際的に活躍中の千住の芸術の根幹にあるのは、あくまで東洋の美意識であり、千住芸術の世界への普及は同時に東洋美の復権につながり、ひいては新しい地球時代の美術をつくる礎石になりうるものである。
現在、京都造形芸術大学教授。同大学付属康耀堂美術館館長。京都造形芸術大学・東北芸術工科大学共同教育機構「芸術学舎」学舎長。ヴァン・クリーフ&アーペル芸術学校(レコール)マスターズコミッティー委員。公益財団法人徳川ミュージアム相談役。