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川島優展「BOX」
Yu KAWASHIMA: BOX

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この度、Whitestone Gallery Karuizawaでは川島優展を開催いたします。自身のシリーズ作から展開した新作12点を含む、計20点の作品を一堂に展観いたします。

Profile

川島優

1988年 静岡県に生まれる
2012年 再興97回秋の院展初入選
2013年 愛知県立芸術大学卒業作品展にて150号《あらゆる境涯を汚染する者あらゆる境
涯を浄化する者》が桑原賞受賞
愛知県立芸術大学大学院博士前期課程美術研究科日本画領域専攻
第68回春の院展初入選
2014年 損保ジャパン美術賞FACE展グランプリ受賞
損保ジャパン東郷青児美術館にて受賞作品120号《TOXIC》買い上げ
損保ジャパン美術賞FACE展2014オーディエンス賞受賞
愛知県立芸術大学25年度優秀学生賞受賞
第6回トリエンナーレ豊橋星野信吾賞展優秀賞受賞
豊橋市美術博物館にて受賞作品120号《INSIDE》買い上げ
再興第99回秋の院展奨励賞受賞
日本美術院 院友推挙
2015年 個展 Whitestone Gallery(東京)
個展 天満屋福山店(広島)
Art Taipei 2015(台湾)
Art Kaohsiung 2015(台湾)
2016年 絵画のゆくえ2016 FACE受賞作家展(東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術
館)
Art Central 2016(香港)

Public Collections

損保ジャパン東郷青児美術館
豊橋市美術博物館
愛知県立芸術大学
平野美術館


Statement

異彩を放つ画家、川島優          

作品《Toxic》でFACE2014グランプリを受賞し、一躍脚光を浴びた川島優は、現在、愛知県立芸術大学博士課程在籍中であるが、若手作家として華々しく活躍している。

川島は女性像を描く。但し、今流行りの男性に媚びる官能的な女性像やネオ・ポップで「かわいい」女性像とは一線を画する。川島の描く女性像は禁欲的でありながら、感情を隠し持つような、「謎めいた」女性たちなのである。

私は、2016年新春、勤務美術館で3年間に亘る川島の作品群を並べてみて、「女性像であるが実は川島の自画像である」という思いを確かにしたのである。打ち放しのコンクリート壁、遠近感覚を強調した幾何学的な床、空ろな視線を投げかける女性。川島の心情を女性たちに仮託しているに違いない。純真な青年が社会の嘘・欺瞞の「有毒」な異物によって「汚染」されていく相を描いているのだ。無骨なコンクリート表層部は無垢で傷つき易い心情、壁に突き当たる(消失点に向かう)床の柄はその痛みを象徴しているのであろう。

今回の展覧会テーマは「BOX」。出品作品は、これまでのシリーズとは趣を異にする。それぞれが固有の空間となり、個人が関わる異なる社会、世界の様相を表現しているという。「不安を描く」と題する博士論文執筆中の川島は、フリードリヒ・ニーチェが提唱したニヒリズム(虚無主義)や無神論、実存主義などにも影響されているという。「受動的ニヒリズムから能動的ニヒリズムに差し代わる時のことを表現したい」と語る川島は、「不安を描くことで不安を超える」生き方を目指しているのである。

川島は、抜群のデッサン力で、モノトーンと思われながら機微に富む色彩を扱い、フォルム、シルエット、コントラストに拘り、現代の「不安」に向かい、自分は何者かを問い、乗り越えるべく絵画の中で挑戦し続けている。川島の新作群が軽井沢で一堂に会するのは、今夏一番の出来事として、美術の歴史に刻まれるに違いない。

五十嵐卓 (美術評論家)