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Tetsuo MIZÙ: Pomp and Circumstance

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クラシック・モダンからの挑戦
−ミズ・テツオの世界−

 いまミズ・テツオに課せられているのは、国際作家として、いかに自らの仕事を世界に認知させ定着させるかにあるといえよう。フラッグを描いた作品はすでに千数百点に及び、現在も毎年すぐれた作品が描き続けられている。フラッグと言えば、国際信号旗のことだが、ミズは好きな言葉、直観的に浮かんだ言葉をフラッグ信号に変換してそれを絵画にしてきた。ミズは何よりもインスピレーションを大切にし、最初のひと筆で描いた線を完成まで決して変えない。修正は絶対にしないのだ。それゆえ失敗作はないと言いきる。作品にはそれぞれ固有の世界があり、ミズはそれをゆっくりと仕上げてゆくのだ。
 色彩の交響、大胆、かつ霊妙な調べが作品を支える。他に例を見ないマチエールの魅力。色彩と色彩とを分かつ描線が色彩に陰影を与え、そして色彩が醸し出す芳醇さが生命の讃歌となって見る者の心に響く。ミズの色彩の明るさは、どこか深い闇をくぐり抜けてきた後の迷いない明るさなのだ。それが時に観る者の心を鼓舞し、励まし、ときめきを誘いだす。
 現代美術から美がなくなって久しい。いや、全くないとは言わないが、特異なコンセプトばかりが目立って絵画本来の魅力が蔑ろにされているように思えてならない。モディリアーニや竹久夢二、松本竣介の作品に見られる哀愁、愁い、悲しみは、ミズ・テツオにとっても重要なファクターとなっているのだ。色彩が単なる色彩ではなく、精神や魂の化身となっているからこそ、ミズの作品には気品が宿り、芳醇な想いが匂い立ってくるのだろう。そういう意味でスタイルこそユニークではあるが、その美意識は古典的であるとも言えるだろう。おそらくミズ・テツオはそこにこそ美の王道があると信じているのだ。一見純粋なリリシズムと思える作品に、どれほど誇り高きミズの生き方が息づいていることか、それを思うと、多彩な世界を描き続けるミズ・テツオに改めて畏敬の念を持たざるを得ないのだ。

小川 英晴(詩人)

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ミズテツオ 略歴

1944年 東京に生まれる

1968年 モディリアニの絵と出会い生涯の師と決める

1971年 絵を始めるために武蔵野美術学園に学ぶ

1975年 自由美術展に出品、会員となる

1983年 自由美術賞受賞、この年より3年渡伊し制作

1987年 第1回具象美術コンクール特別賞受賞(ローマ)

ラヴィニオ(ローマ)聖アンナ教会のステンドグラスを制作

1988年 フランス人画商ジャン・ポール・シュナイダー氏とヨーロッパ・アメリカ独占契約

を結ぶ

詩画集「セレナード」、版画集「愛の調べ」を出版(芸術新聞社)

1989年 パルマ・デ・マヨルカ(スペイン)に滞在 ’90 ‘91

1990年 サルバドール・ダリ/ミズ二人展 HOSPICES DE BEAUNE(ボーヌ、フランス)

1991年 クリスチャンディオールサロンにて個展(パリ)

1992年 パリに滞在(〜96)、制作

1993年 パリ郊外のサン・ジャン・ダンジェリーの教会で大作制作

1994年 パリ・シャイヨー宮海洋博物館にて150点の個展を開催

1996年 長野冬季オリンピックフィギュアスケート場エントランスホール正面陶壁画

(32×6m)を制作

戸田競艇場イベントホール床面画(70×50m)制作

1997年 ロッテルダム(オランダ)MARITIME MUSEUMにて個展

ボーヌ(フランス)に滞在、制作

1999年 戸田競艇場VIPホールモニュメント「男と女」制作

銅版画集「リベルテの歌」を刊行(四季彩舎)

2000年 イスタンブール(トルコ)滞在、制作

2009年 横浜開港150周年記念イベントに出品

2010年 いすみ市 田園美術館にてミズ・テツオ展

2011年 大多喜 ハーブガーデンホテルにて10枚の壁画制作

2014年 小川英晴氏(詩人)を月刊ギャラリー誌上連続対談

「クラシック・モダンを描くミズ・テツオの世界」(2014年5月号〜2015年4月号)

2016年 田園美術館にて ミズ・テツオ展

Whitestone Gallery Hollywood Road(香港)にて個展