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富山水辺の映像祭 スフィア2016@KNAM

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芸術が紡ぐまちの物語

伊東順二(富山水辺の映像祭プロデューサー)

富山水辺の映像祭は、もともと文化庁メディア芸術祭の初代企画展プロデューサーを務めた後、創設館長として私が赴任した長崎県美術館のメディアアート企画として2004年に始めたもので、当初はショートムービー部門と携帯ムービー部門に別れて若手メディア作家の登竜門とまだ一般的ではなかったメディアアートの推進を目指したものだったが、2006年に故伊藤一長前長崎市長と森雅志富山市長の賛同を得て、当時では類を見ないメディア芸術を介した都市文化の革新とまちづくりにおける人材育成、という視点を加えて現在の姿になったものである。その後富山市の単独開催となった2008年以降もその目指す目的は不変である。
特徴としてまず挙げられるのは、毎回コンソーシアムで決定したテーマに基づいて製作された作品を公募することで、テーマで掲げる時代の問題意識を共有すること、そしてそれを表現することにこれからの芸術のあるべき姿を求めることが重要だと思っている。
また、イベントの開催や学生、市民の参加を通して先端芸術への理解を醸成し、それを支える人材を育成することも目的の一つとしている。
まちづくりとしてはイベントの開催、作品の街中での上映はもちろんであるが、地方都市における先端コンテンツの集積は重要なテーマである。先端芸術といわれる分野が往々にして大都市にのみ集中する中、その体験と活性化を促す蓄積を様々な地域に実現することで、その展開の可能性は無限に広がると思う。当初の長崎と富山の連携はネットワークの時代における芸術とまちづくりのあり方を示したものであると自負している。
結果、共鳴していただいた多くの若手作家による優れた作品を市民は自らのそして時代の文化として共有することができる。
そして今、その輪は新幹線で結ばれる軽井沢に広がった。都市がつながり芸術がつながる。芸術の新しい基盤作りはまた一歩進んだと思っている。